「生命の起源プロジェクト」

私たち生命は一体、いつ、どこで、どのようにして生まれたのだろうか?

今から約38~42億年前の地球に誕生したとされる地球生命。
その本質は「外界 からのエネルギーの獲得」と「遺伝性に伴う進化能」の両方を兼ね備えたシス テムであり、その維持にはアミノ酸や核酸から成るタンパク質やRNAといっ た高分子が不可欠である。これらの高分子がいつどこで安定的に合成され、濃縮し、進化してきたのか、我々は陸上における環境だけでなく、深海における新しい反応場を模索している。特に深海における液体二酸化炭素は地球化学的な反応が優先する初期地球環境に おいて高分子が作られうる反応条件を明らかにするとともに、その高分子の進化の道筋を、試験管内での共進化実験をはじめとする合成生物学的なアプローチで明らかにしたいと考えている。

 

「土星衛星エンセラダスプロジェクト」

本研究では、エンセラダスのアルカリ性熱水環境における初期ペプチド合成の可能性を調査している。
ペプチドは原始生命の化学進化に必要と言われており、エンセラダス環境下でペプチド合成の可能性を示すことは、同環境での生命存在の可能性の示唆に繋がる。また計画中のエンセラダスサンプルリターンミッションに向けたターゲットの提案のため、JAXAの高速衝突実験装置を用いたサンプル回収模擬実験を行っている。

−地球外生命はいるか。
エンセラダスの研究はこの問題に一つ答えを与えるかもしれない。

 

「たんぽぽ計画」

たんぽぽ計画とは、国際宇宙ステーションの「きぼう」モジュールに設置された簡易暴露実験装置を使い、宇宙で捕集された宇宙塵試料や暴露された極限環境微生物のサンプルを得るプロジェクトである。
これは日本初のアストロバイオロジー (宇宙生物学)を目標に掲げた実験計画である。
捕集されたサンプルを解析することによって、生命材料の地球到達、地球生命の惑星間移動の可能性を検証する。
我々が関わる初期分析では、暴露されたエアロゲルの3Dマップを作成し、補集されたサンプルの科学的意義について検討している。